このページは伺かアドベントカレンダー第2会場の13日目の記事になっております。
 著者は「だぶる×ついんず」シリーズの作者である北本椿です。

 ちなみに明日の記事は瑞樹ユラ様の里々でアイテムの収集率を出してみようです。実際に使えるスクリプト(伺かゴーストを動かすための記述)を載せてくれているので絶対に読んだ方がいいぞ!

 ・はじめに

 さあ、アドベントカレンダーも3回目である。そろそろ書くことが無くなるんじゃ無いかと貴様らは思っているかも知れないが俺にとって話題というのは近所の下水マンホールからわき出る水のように勝手にわき出してくるものなので何も心配はしなくていい。むしろ俺が3日分も書いていいのかの方が若干不安だがこれを書いているのは13日午前4時なのでとりあえず完成させて提出しようと思う。


・このページについて

 本題に入る前に補足なんだがこのページの執筆当初のタイトルは「シェアワールド型のゴーストを作るということ」だった。しかし「シェアワールド」という言葉には複雑でありながらも明確な定義があり語弊を産むリスクがあるため今回は「複数のゴーストで1つの世界観を形作るということ」というやや湾曲気味なタイトルに変更する運びになった。内容自体に変更は無い。


・いったいどんなゴーストが該当するのかな?

 早速話を始めたいが、もしかしたら「複数のゴーストで1つの世界観を共有」と聞いた時にパッと具体例が思いつかない人がいるかもしれない。もちろん俺のゴーストが該当するんだがダウンロードしていない人も多いだろうし、一体どういうタイプのゴーストの話をしたいのか分かって貰うためにもとりあえず有名所の名前をあげさせてもらうと

 『ラベンダー畑から』と『ラベンダー畑へ』(ふいーす様製作)
 『イトキタ』と『タマカナ』(前者はヒカル様、後者はNollety様製作)
 『チョコレイトボックス』と『チョコレイトロマンス』(小戸らでく様製作)
 『空とあるゅう先生』と『天使養成学校「翼の庭」』(観城はるか様製作)

 ぐらいだろうか。これだけあげれば流石にどれかは知っていると思う。
 正直このゴースト達を全部ダウンロードして起動した方がこの後の話より遙かに有意義な人生を過ごせることに賢明な読者諸君は既に気付いたと思うがそれは置いておくとして話を続けよう。例であげたものは全て「明確に世界観や時系列が繋がっていると明記されているタイプのゴースト」だ。こういうゴーストのことをこのページでは「複数のゴーストで1つの世界観を共有している」「世界観共有ゴースト」と定義する。

 ちなみにここから下には貴様らの伺かライフに有益なことは一切書いていない。


・「だぶる×ついんず」シリーズについて

 さてここからが俺のゴーストの話だがまず2024年12月の段階で公開されている7つの作品は全て「1つの世界観を共有している」タイプのゴーストだ。

 ハルキがヴィランをやめた後の更正期間を描いた『だぶる×ついんず』
 ハルキがヴィランだったころの一幕を描いた『天下原椿姫という少女の話』
 『だぶる×ついんず』と時系列を同じくしている異種族保護エリアでのハルキとリツ、および数多くの『女神』達を描いた『おーすおぶ☆ぐりーでぃごっです』
 異種族保護エリアの新顔ハイドラとその担当官を描いた『はろー!りとるふぇざー!』
 『だぶる×ついんず』の15年後、ハルキとリツの子供であるカズサを主人公にした『祝って呪ってカズサちゃん!』
 カズサと同学年にして妹のような存在のミタハとその契約者を描いた『ナニ様!ボク様!ミタハ様!』
 上記2作と同時系列。大人になったリツとハルキ、そしてその周辺の人物を描いた『ぐっどらっく★ぎふとめーかー』

 という風に全てを1つの物語をベースに作っている。では今回も前回と同じように「メリット」と「デメリット」、そして「作り方のコツ」を解説していこう。


・世界観共有ゴーストのメリットデメリット

 メリットは「1つのゴーストでは表現しきれない範囲を表現できる」ことだ。例えば俺のゴーストなら『はろー!りとるふぇざー!』以外は全て「天下原 椿姫(以下ハルキ)」というキャラクターを掘り下げていく要素がある。例えば昨日の記事にリンクをつけさせていただいたあーるでぃー様の記事(読んでない人はすぐに飛ぼう)では「キャラクターの過去を語らせる」というランダムトークの作り方が丁寧に解説されているのだが、結果としてその一種の変化球のような形で「キャラクターの過去をゴーストとして製作」しているのが「天下原椿姫という少女の話」だ。つまり「新作ゴーストという形で別のゴーストのランダムトークを大量に提供している」ことになる。ランダムトークのネタの集合体がゴーストというのは言うまでも無い。なので先ほどのリンクの記事はちゃんと読んでおこうね。読まないとお母さん知りませんからね。

 有意義なリンクを貼れた以外は何も話が進んでいないので話を戻そう。複数のゴーストという巨大な媒体でキャラクターを掘り下げることで具体的に得られる効果は「1つ1つの設定に対してより実感(説得力とも言う)を沸かせることができる」ということだ。

 今回は「ハルキは子供に優しい」という設定を例にあげよう。この設定自体は『だぶる×ついんず』の最初期からあったが過去の時系列である『天下原椿姫という少女の話』では昔から優しく、ユーザやノーバディのように完全に支配している相手(仮にハルキが彼女らを殺すことがあっても誰も咎める人間はいない)であっても横暴に振る舞うことは無いし、最高幹部の直属部隊というシステムを利用して組織内の小さな子供を自分の庇護下においていたという設定を事実として描写している。さらに『おーすおぶ☆ぐりーでぃごっです』でノーバディのシェルを出してハルキや他のキャラクター達と直接会話させることで「ハルキにとってノーバディは可愛い子供だと考えている」が「ノーバディにとってハルキは優しい親のような存在ではあるが、それよりも身よりのの無い自分たちの社会的な立場を担保してくれる絶対の存在だと思っており根本的に部下と上司という関係性の方がノーバディの中では強い」ということを描写している。

 前述したことを全て『だぶる×ついんず』だけで描写するのはかなり難しいと思う。またややこしい創作論を語ると俺だけが楽しくなっちゃうので簡潔に説明するが「伺かはランダムトーク、つまり会話で進行する」ため「ユーザに伝えられる情報は全て伝聞」になる。もちろん全ての設定を「地の文」で書くのもありだがそれはそれで前回説明した「設定資料が煩雑で大量になるデメリット」を産むリスクもある。その1つの解決方法が複数のゴーストで1つの世界観(そしてそれに付随する設定)を共有することで複雑な設定を描写しやすくすることなのだ。

 デメリットも存在する。それはあなたが必要と思っただけゴーストを作らないといけないことだ。やはりランダムトークの追加に比べて時間と手間はかかってしまうし、あなたの創作意欲が別のゴーストを作りたいと言うのならそっちに時間を割くべきだと思う。ちなみに作ったところで需要が無いのでは無いかという疑問に関しては前回は話したので割愛とさせていただきます。そういうのはもっと人気がある奴に頭下げて聞こうぜ。


・世界観を共有するゴーストの作り方

 最後に実際に世界観を共有するゴーストの作り方を説明して終わりにしよう。まず一番大事なのは設定を共有するのが「自分のゴースト」か「他人のゴースト」かだ。後者の場合まずは二次創作規約などを確認、場合によっては直接連絡などをして許可を取るのが必要になるのには注意しよう。なんだか凄くまともなことを言った気がするし、既に昨日と今日で賢さを大分使ってしまっている。

 まあ、とりあえず自分のゴーストでやってみることにしよう。もしあなたが自分のゴーストを持っているのならそれをベースにした世界観を共有するゴーストを作るのが一番いい。もしあなたがはじめてゴーストを作る場合はそもそももっと覚えることが他にあるだろうし、今からいうことは先にゴーストを作ってからのお楽しみだと思って欲しい(そもそもゴーストを作るという行為自体が自分の中の設定を他人と共有する行為なのではないかと言われたがこの話題についてはまた別の機会にしよう)。

 世界観共有ゴーストにおいてとりあえず最初に2つ決めるべきことは「時系列」と「登場人物」だ。これは普通にゴーストを作る上で当たり前にみんなやっていることだが今回は世界観共有元という「起点」があるためそこを基準に考えていく必要がある。何度も例に出して申し訳ないが『チョコレイトボックス』と『チョコレイトロマンス』の場合は時系列は「少し未来」で登場人物は「さゆるとユーザ」(つまり登場人物は変更なし)になる。

 世界観共有ゴーストもここさえはじめにしっかりと定義すれば普通のゴーストとそう変わらない。さから後は普通にゴーストを楽しみながら血反吐を吐いて作れば完成するのだが、折角なので世界観共有ゴースト特有の味付けを2つ記載しよう。

 1 ランダムトークをリンクさせる

 リンクと言っても複雑な機能の話では無く他のゴーストの内容を理解していると面白くなるランダムトークを入れると良いという話だ。例えば『ぐっどらっく★ぎふとめーかー』でハルキがクリスマスオーナメントを大事そうに掃除するトークがあるがこれはクラスヌィとの思い出の品であること以上は詳しく説明されない。しかし『だぶる×ついんず』の「クラスヌィとてっぺんの星」で登場したものであることはシリーズを見ていれば理解できる程度のものでいい。世界観共有ゴーストは性質上1つの設定で複数のトークを生み出すことができるのでランダムトークが増えやすいのが特徴だ。

 2 キャラクターに変化をつけよう

 これは別に時系列を変えていなくても効果的だ。人間は相手や状況に合わせてしゃべり方を変えるのは当然であり、普段と違うしゃべり方をするキャラクターはユーザ側にとっても面白い印象を与えることができる。また、時系列が変わっているのならそれこそキャラクターのしゃべり方だけでなく主義主張も変わっていることが多いだろう。これは別に難しいことでは無く「大人になったからコーヒーを飲めるようになった」とかでも「子供の頃あんなに大好きだったアニメが今では好きでは無くなった」みたいなレベルで構わない。俺のゴーストでは『女神』という不老不死の生物がたくさん出てくるがあいつらだって15年で色々と考え方は変わっている。人間なら大きく変化しない方が不自然だろう。


・最後に

 
三日連続でのアドベントカレンダーの執筆になり、今日は『女神とからあげ』の話をしようと思ったのですが私のゴーストの特徴である「複数のゴーストによる1つの世界観共有」についてお話しさせていただきました。昨日に比べて明るい内容になっているのでお子様ともご覧いただけます。

 
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
 来年もよき伺かライフを。

 冒頭にも記載しましたが
明日の記事は瑞樹ユラ様の里々でアイテムの収集率を出してみようです。必ず読んでおこうな!




 最後まで読んでくれてありがとう!それじゃあまた来年のアドベントカレンダーで会おうぜ!